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The Last Viking / JOHANSSON
火薬バカ一代 ★★ (2009-12-06 19:51:00)
ブックレットのクレジットや写真から推察するに、前作『SONIC WINTER』の成功に気を良くした日本のレコード会社からの
「今度は全編ネオクラなヤツを作ってくださいよ~」とのリクエストに応えて、イェンスとアンダースが
日本市場向けにちゃちゃっとレコーディングした・・・かどうかは定かじゃないが、ともかく非常に
日本人好みの作風に仕上がっている、99年発表の2nd(兄弟コラボ物としては3作目か)アルバム。
特に“SAMURAI"の名を持つ疾走チューン⑦は、生真面目なメタル・ファンなら失笑を漏らしかねないタイトルに反して、
これが北欧ネオクラ・メタルの美味しい部分を凝縮したかのようなクサメロ満載の名曲で思わずガッツポーズ。
こうした楽曲のクオリティをガッチリと支えるのは、勿論、今回もネオクラシカル風味全開で贈るイェンス・ヨハンソンの
流麗なKeyプレイなわけだが、本作においてその彼と同レベルの存在感を発揮するのが、ゲストVo、ヨラン・エドマンその人。
「Mr.北欧ボイス」の異名を取り、元々歌の上手さには定評のある人だったが、ここで披露する歌声・・・取り分け、泣きの入った
④⑥のようなスロー/バラード・ナンバーにおける強烈にコブシの効いた熱唱は、息苦しい程にエモーショナルで感動的。
作品全体としては、イェンスのピアノの早弾きが聴けなかったり、せっかくGとして全面参加しているSYMPHONY Xの
マイケル・ロメオが、イマイチ本領を発揮し切れていなかったり(イングヴェイの時のような化学反応は起きなかったか)と
些細な不満点はあれど、OPナンバー①を皮切りに、絵に描いたような北欧ネオクラ・メタルが全編に渡って
繰り広げられる充実した内容を誇る1枚であり、様式美HMファンならこれを聴かずに済ます手は無い!・・・ような。

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