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Banquet / LUCIFER'S FRIEND
火薬バカ一代 ★★★ (2016-01-25 22:37:19)
LUCIFER'S FRIENDの初来日公演における、ジョン・ロートン(Vo)の衰え知らずな歌いっぷりに感動し、再発盤を購入したものの封も切らずに積んだままになっていた、'74年発表の本4thアルバムを慌てて引っ張り出しました。
名盤として人気の高い1stや7thに比べると、本作は「30人以上の編成からなるオーケストラを大々的にフィーチュアし、ジャズ/ブラス・ロック方面に傾倒した実験作」と評されることが多く、これまであまり興味を持てずにいました。
しかし実際に聴いてみると――確かに曲によってはそういった要素が多々あるものの――これはこれで非常に美味であると。と言うか、ジョン・ロートンの張りのある歌声とバンド・セクションの踏ん張りのお陰で、サウンドにはHR然としたエッジと一定のテンションが最後まで保たれており、決して気持ちだけが先走った実験作等ではありませんでしたよ。
特にビッグ・バンド・ジャズ風にスタートを切り、後半へ向かってグングン緊張感を高めていく①や、思わずルパン三世の名場面を思い出しそうになる大野雄二タッチの④(こっちのが先ですが)といったプログレッシブ・ロック調の大作ナンバー、そして鋭利なG、流麗なピアノ、そして炸裂感溢れるブラス・セクションとが、スリリングに絡み合いながら疾走する様に唸らずにはいられない②はLUCIFER'S FRIEND史に残る名曲ではないかと。
《ルシファーの最高傑作》という帯の惹句を目にした時は「またまたぁ~」ってなもんでしたが、聴き終えてみると「その意見、分からなくもないな」と。
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