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Templario / Santa
火薬バカ一代 ★★★ (2016-02-13 00:14:13)
看板シンガーだったアズセナ・マルティン脱退後、'86年に発表された3rdアルバム。
前作レコーディング前にKey奏者がラインナップに加わったこともあり、「今回もKeyがGとバトル繰り広げる本格派様式美HMが詰まってるに違いないですぞ」とかニヤつきながら再生したのですが、OPナンバー①は明るく弾むLAメタル風。続く②もメロディアスなポップ・チューンで、「確かにKeyサウンドは大々的に使われてるけどさぁ…」と、少なからず落胆したような覚えが。
但し決して完成度は低くない。いや、むしろ立派。新加入エレノール・マルケージ(Vo)の実力は前任者と比べても遜色はなく、彼女の器用で耳当たりの良い歌唱が活かされた楽曲は、従来のコテコテ感を薄れさせて、よりキャッチーで聴き易い仕上がりに。リバーブを深めに掛けたドラム・プロダクションとか、作品全体がグッと洗練されてメジャー感が漂うようになりました。
音質の軽さや、スパニッシュな泣き・哀愁が薄まってしまっている点は少々残念ではありますが、軽快に駆け抜ける⑥⑦、Keyによるファンファーレ・リフが印象的な⑩等、新味を感じさせるキャッチーな楽曲の出来は良いですし、また闇雲に売れ線に走ったわけじゃないことは、GとKeyがハードにバトる③からも明白。トドメは疾走する様式美HMナンバー④で、思わず膝を打つカッコ良さには「これぞSANTA!」と。
本作発表の翌年、解散を選択することとなるバンドの有終の美を飾るに相応しい品質を備えた1枚。

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