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Dystopia / MEGADETH
火薬バカ一代 ★★★ (2016-03-05 09:40:04)
新GとしてANGRAのキコ・ルーレイロ(あとドラマーの座にLAMB OF GODのクリス・アドラー)が加入したことでも話題のMEGADETHのニュー・アルバム。
まず結論を述べさせて貰うと、三ツ星級の力作です。コマーシャルな方面にも大胆に踏み込んだ前作『SUPER COLLIDER』(’14年)が、「こういうのもありだよね」と一歩引いて俯瞰で楽しむ作品だったとするならば、角張った攻撃性や緊迫感、ニヒリズムが復活した今作は、「これが聴きたかった!」とファンの身を一歩前に乗り出させる仕上がりというか。
特に冒頭3曲の畳み掛けは強力。エキゾチックな女性コーラスに導かれ、研ぎ澄まされたGリフが冷ややかに滑り出すイントロだけでハート鷲掴みな①、キレッキレに乱舞するツインGが放つアグレッションと、シングル・カットされたのも当然のキャッチネスが同居する②、そして80年代のMEGADETHを現行メンバーで再構築したかのような③と、この隙のない序盤の流れだけで「名盤」の太鼓判を押したくなりましたからね。
刺々しさを取り戻した楽曲と、逆にシニカルさの薄れた気がするデイヴ・ムスティンのVoのギャップに当初は違和感を覚えたりもしたものですが、何度も聴くうちにすっかり慣れた…と言うか、このギャップが楽しめるようになりました。前作を経て更なる歌心を獲得したムスティンの歌唱力が映える、ダークでメランコリックな⑦は後半戦のハイライトですね。
キコが初手から曲作りに関わるであろう、次作以降に早くも期待が膨らむ1枚。

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