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Sálvese quien pueda / PANZER / PANZER
火薬バカ一代 ★★★ (2016-03-07 22:14:19)
PANZERを名乗るバンドは欧州から南米まで幅広く分布していますが、こちらはスペインの5人組で、本作は'83年発表の彼らの2ndアルバム。
Key奏者を擁し、DEEP PURPLE/RAINBOW影響下のHRを聴かせてくれていたような気がするデビュー作(CD棚を漁るも発見出来ず。持っていた筈なんだけど…)に比べると、Key奏者が脱退してツインG体制へと移行した本作は、基本的な音楽性はそのままに、NWOBHMの盛り上がりに歩調を合わせ、グッとハードネスを高めた仕上がりに。
しょっぱい音質と、不安点なシンガーの歌唱、あとスペイン語の耳慣れない発音とが相俟って、初めて聴いた当時は「垢抜けねぇ田舎メタルだな」との感想を持ったものですが、慣れてしまうと逆にこれが旨みに変わります。巻き舌シンガーが熱唱する、コブシの効いたメロディのクサさ、そして威勢のいいツインGをフィーチュアしてハジける収録楽曲の暑苦しさには、いやが上にもメタル魂を掻き立てられるってもんです。
「いや。クサくて暑いって、それ普通に最悪じゃん」と思う向きもありましょうが、取り敢えずは黙って、哀愁を伴い疾走する「スパニッシュ・メタル果汁100%!」の②、濃厚な泣きを発散する⑤、堅牢なリズム隊の存在も光る⑥、三連のリズムで突き進む勇ましい⑧といった名曲を一度聴いてみてくれと。それでも同じことを言えるなら…なんか、すいません。
そんなわけで他人に全力で薦めるのは憚られますが、個人的に好きであることを公言するのに躊躇はない1枚。ちなみにPANZERのカタログでは本作が一番売れたのだとか。

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