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Caballeros de sangre / PANZER / PANZER
火薬バカ一代 ★★★ (2016-03-11 23:11:58)
PANZERのラスト作となった’86年発表の4thアルバム。(正確には、この後ライブ盤を1枚残して解散)
当人たちに「これが最後の作品」との意識があったのかどうかは知る由もありませんが、クッサクサのスパニッシュ・メタル路線だった初期作、JUDAS PRIEST型HM路線に大きく振れた3rdを踏まえ、へヴィ・メタリックなエッジの鋭さや疾走感は保ちつつ、スペイン産らしい濃い口の哀メロ/泣きメロを改めて増強、更に一緒に歌いたくなる(ライブ映えする)キャッチネスまで加味された本作は、これまでの集大成的サウンドに仕上がっていると言えます。アートワークのセンスは1stの頃に逆戻りしてますけどね。
特に5分のランニング・タイムの中に、胸を打つメロディ、ドラマティックな曲展開、タイトな演奏力、そして初期の頃から各段にレベルアップしたVoの熱い歌唱とがぎゅぎゅっとパッケージされた④は、PANZER屈指の名曲の一つ。
悩みの種だったギタリストの座の不安定さは解消されておらず、今回も当然のようにメンバー・チェンジが発生していますが、幸いなことに若き新G、ホセ・アントニオ・カサールは前任者に一歩も引けを取らないテクニックとメロディ・センスを誇る逸材。その彼の才能が如何なく発揮された名曲⑧を手始めに、充実の楽曲が顔を揃える本作は、スペイン戦車軍団の終焉を謳い上げるのに相応しい1枚だったと言えるのではないでしょうか。結果的に。
PANZER入門盤としてもお薦め。
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