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O.F.R. / NITRO
火薬バカ一代 ★★★ (2016-03-21 07:52:56)
「行き過ぎた恐怖は笑いに転化する」ということを教えてくれたのが映画『死霊のはらわた』なら、度を越したテクニックもやっぱり笑いに転化するのだということを教えてくれたのが、このNITROが'89年に発表した1stアルバムだったような?
音楽性は、躁の気全開で突っ走るアメリカンHM。そこにマイケル・アンジェロ先生が「独りシルク・ドゥ・ソレイユ状態」で操る伝家の宝刀、4本ネックのクァッド・ギター(別名Xギター)と、32秒間連続シャウト/10種類の異なる歌い方/ワイングラスを粉砕する6オクターブのハイトーン…といった必殺唱法の数々で知られるジム・ジレットのVoという、「珍」にして「奇」なる飛び道具が加わることで、NITRO独自のサウンドが完成をみています。
と言うか、このバンドと本作についてはグダグダ説明するよりも、OPナンバー“FREIGHT TRAIN”の名(迷)PVを見て貰った方が、一目瞭然でその魅力が伝わるのではないかと。Voの歌唱スタイルこそ好悪が分かれますが、ノリノリで疾走する楽曲自体はパワフル&キャッチーですし、愛川鉄也の司会が聞こえてきそうなPVの「世界ビックリ人間大集合メタル」っぷりも、嘗ては完全に色物扱いでしたけど、今となっちゃ愛しく思える程。英国ガーディアン紙企画『最低ミュージックビデオ・ランキング』第7位に堂々ランクインってのも勲章みたいなもんですよ。(逆にPVにドン引きした人は本作を聴く必要はないと)
ある意味、行き着くところまで行き着いた80年代メタルの極北を垣間見せてくれる1枚。
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