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Shakin' Brains / SILVER MOUNTAIN
火薬バカ一代 ★★★ (2009-11-27 21:46:00)
音質の酷さはデモテープ並、様式美HM的なドラマ性よりも、NWOBHM由来の荒っぽさが前面に押し出された楽曲は、後の作品に比べ随分と荒削りな上、調子っ外れなヨナスのVoといい、危なっかしいアンダースのDsといい、演奏はかなり不安定・・・と、控えめに評価しても欠点だらけのB級メタル然としたSILVER MOUNTAINのデビュー作('84年発表)なのだが、にも関わらず、個人的に「北欧メタル」と聞くとなぜだか数多ある名盤を差し置いて、本作の事が真っ先に思い浮かんでしまう。
その最大の魅力は、やはり何と言ってもヨナスのクラシカルなフィールに溢れたGによって紡ぎ出される、寒々しく朴訥とした泣きを湛えたメロディの数々。
特に、フランス国歌“マルセイユの歌"のフレーズをフィーチュアしたOPナンバー①は、高揚感を誘う勇ましさと、どこか郷愁をそそられる物悲しさを兼ね備えた必殺の名曲。鼻が曲がりそうなぐらいのクサメロが炸裂する(殆ど演歌の世界)③のGソロも良いねぇ。
また、本編においてそのヨナスのGとタメを張る存在感を発揮するのが、当時から「天才キーボーディスト」の称号を受けていたイェンス・ヨハンソンのKeyプレイで、GとKeyがスリリングに火花を散らす疾走チューン②⑥のような楽曲の劇的なまでのカッコ良さは、彼の華麗なKeyワークがあったればこそ。取り分け⑥のクライマックスにおける鬼気迫るピアノ・ソロは、未だに北欧メタル・ファンの間では語り草であり、ぶっちゃけ本作はこの流麗なピアノ・ソロを聴くためだけに購入しても損はない!と断言したくなるほど。
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