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Braindead / Lost Society
火薬バカ一代 ★★ (2016-03-30 23:10:53)
前掛かりに走り抜けるスラッシュ・メタルの快作だった前2作に比べ、'15年発表の本3rdは、全く走らない①②で幕が上がる序盤の展開からして、これまでとは大きく趣きを異する内容であることを宣言してきます。例えるなら、内角を鋭く突くストレートで簡単に2ストライクを取った剛腕投手が、3球目はあえて外角に外してきた…みたいな?
ハジけるようなスピード感よりも、弾むようなグルーヴ/うねりを前面に押し出した作風は、なるほど。バンドが認める通りPANTERA辺りからの影響大。但し、へヴィネスやパワー・グルーヴといった要素の扱いの巧みさ、そうしたエッセンスを取り入れながらも「らしさ」を見失わない柔軟性は、さすが現代っ子バンドであると。オッサン達が無理して流行に乗っかろうとした挙句、目も当てられない惨状を呈した90年代に比べると、この世代にとっちゃ最早PANTERAすらIRON MAIDEN等と一緒くたで「オールドスクールなメタル」なんだなぁと、何やら隔世の感を覚えた次第。そんな彼らの感性が活かされた、重厚なへヴィネスと、サビで頑張って「歌う」Voに、劇的且つ勇ましいツインGのフィーチュアされたエピック・ナンバー⑦は、本作のハイライトというべき存在感を放つ名曲。
まぁでも、聴いてて最もテンション上がるのは、歯切れ良くアッパーに突っ走る⑤⑥みたいな高速スラッシュ・ナンバーですし、個人的には本作の内容以上に、これを踏まえて彼らが次にどんな一手を繰り出して来るのかが気になるわけですが。

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