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Once Bitten / GREAT WHITE
火薬バカ一代 ★★★ (2016-04-04 23:16:46)
GREAT WHITEの知名度を、一介のLAメタル・バンドから全国区へと一気に引き上げた出世作、’87年発表の3rdアルバム。
前2作に比べ、グッと表現力が深みを増したジャック・ラッセルのソウルフルな歌唱にしろ、バブルに浮かれることなく地に足を付けたGプレイを披露するマーク・ケンドールにしろ、如何にもLAメタルな的ザックリ感が薄れて、代わりに粘っこく絡みつくようなエモーションの迸り…所謂「ブルージー」なフィーリングを大幅増強。一般的にGREAT WHITEの名を聞いて想起する音楽性がここに確立されました。7分以上に及ぶ長尺を小粋且つ情感豊かに語り切る③はその好例で、スマッシュ・ヒットを飛ばしたのも納得の名曲ぶり。
それでいて必要以上に泥臭い方向に振れることはなく、都会的センスを活かし、サウンドをスマート&キャッチーにまとめてくれるのが本作の美点。実は「一介のLAメタル・バンド」時代の作品(前2作)ばかり愛聴している身には、洗練を感じさせる哀愁のメロハー⑥、メタリックな疾走ナンバー⑦、ドラマティックなバラード⑨といった楽曲が並ぶ本編後半の方が気に入り度が高かったりするのですが。
個人的にはGREAT WHITEのアルバムで心底楽しめるのは、この辺りのサウンド・バランスがぎりなんすけども、とまれ「彼らのカタログでまず真っ先に聴くべきは?」と問われたならば、やはり本作で決まりでしょうかね。

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