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Rock ’n’ Roll Gypsies / SPIDER
火薬バカ一代 ★★★ (2016-04-18 23:14:01)
NWOBHMシーンにあって、VARDISと共にブギ/ロックンロールに拘った音楽性から、「小型STATUS QUO」とも評されたイギリスはリバプール出身の4人組が、'82年にRCA RECORDSから発表した1stフル・アルバム。
ブギつったら“ヤットデタマン・ブギウギ・レイディ”が真っ先に思い浮かぶ程度。普段は「泣きだ」「哀愁だ」と湿気まみれのミュージック・ライフを送っている身ゆえ、SPIDERに関しては完全守備範囲外とスルー決め込んでいたのですが、評判の良さに釣られ後追いで聴いてみたらば、いやこれが、QUO直系のゴキゲンなハードブギーが最初から最後までシェケナベイベ。
例えばアメリカのロックンロール・バンドが、ライトアップされたアリーナ会場と華々しい大合唱が似合いそうなのに比べ、SPIDERが繰り出すサウンドは、狭くて酒臭くて薄暗いパブやライブハウスの熱狂の方がよく似合う下町グルーヴ全開(褒めてます)。埃っぽい声質で歌いまくるVoと、楽器陣のタイトな演奏を活かして、普段この手の音を嗜まない輩(←俺)をも力ずくで踊らせてしまう手腕は、叩き上げライブ・バンドの面目躍如。アグレッシブなGが印象的な⑦や、濃厚な哀愁を発散する⑧といった秀曲も、間違いなく彼らがNWOBHMの一員であったことを伝えてくれます。
全英チャート75位にランクインし、SPIDERの代表作として愛されるのも納得の1枚。

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