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Sacred Blood “Divine” Lies / MAGNUM
火薬バカ一代 ★★★ (2016-05-05 08:26:57)
前作『ESCAPE FROM THE SHADOW GARDEN』が欧州各国のアルバム・チャートで軒並み好リアクションを獲得し、更にそれに伴うツアーもライブ盤をリリースする程の評判を呼ぶなど、目下、80年代以来で訪れた2度目の全盛期を謳歌中のMAGNUMが、その余勢を駆って'16年に発表した最新スタジオ作。
相変わらず目のご馳走と言うべきロドニー・マシューズ謹製アートワークが内容の素晴らしさにお墨付きを与えてくれる本作ですが、ここ数作に比べるとシンフォニックな味付けは控えめ。その分、トニー・クラーキン(G)がクリエイトするサウンドはハード&へヴィな方向に振れていて、いつになく青筋立て気味のボブ・カトレイ(Vo)の歌唱と、リズム隊が叩き出すタメの効いたビートに思わず背筋がシャンと伸びてしまうOPナンバー①は、本作のそうした特色を印象付けてくれる逸曲ではないかと。
さりとて、今更彼らが大雑把にエクストリーム・メタル化する筈もなく、聴き手を包み込むような包容力も、威厳と格式に身が引き締まるような思いのドラマ性も、当然の如く厳然として健在。例えて言うなら本作における変化は、「英国紳士が、着ていたスーツのネクタイを緩めて腕まくりをした」程度のものなのですが、たったそれだけの行為でも「こやつ、只者ではない…!」と相手を圧倒できるのが紳士たる証であると。例えが分かり辛いですが。優美且つ壮大な②、ライブ映えするコーラスを有した⑦、MAGNUM印の劇的な名曲⑨、ラストを厳かに締め括る⑩といったところをハイライトに、現在のバンドの絶好調ぶりが如実にクオリティに反映された1枚。頼むから来日公演に繋がって欲しいなぁ。

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