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THE WORKS / TRESPASS
火薬バカ一代 ★★★ (2016-05-08 09:11:57)
アルバム・デビューこそ叶わなかったものの、若き日のラーズ・ウルリッヒとジェイムズ・ヘッドフィールドがファンクラブに入会していたりと、NWOBHMマニア筋からの評価は高かった英国サフォーク州サドベリー出身の5人組が、80年代初頭に残した3枚のシングルとデモ音源を取りまとめたアンソロジー盤。(最近第2弾がリリースされたらしい)
冴えない音質、靄った声質のヘタウマVo、湿気ったメロディをしっとり歌い上げるツインG…と、「いかにもNWOBHM」な特徴の数々をフィーチュアしつつ、PRAYING MANTISやHERITAGE辺りを引き合いに出して語りたくなる抒情性&透明感も湛えたサウンドは、聴いていると思わず「清貧」という言葉が脳裏をよぎります。
メロウなイントロで掴みはOKな①と、2本のGによる淡いハモりが印象的な②というデビュー・シングル収録曲、ドラマティックな構成が光る⑥、泣きが溢れ返るバラード⑩、哀愁のミッド・チューン⑯等、並のバンドじゃそうは書けない優れた楽曲が数多く顔を揃える一方で、終ぞ「これこそがTRESPASS!」というキメの1曲(NWOBHM史に足跡を残す名曲というか)を生み出し得なかった押しの弱さが、評価の高さとは裏腹に彼らが大成できなかった要因の一つだったのかなぁと、本作を聴いてふと思ったり。いや、だからってここに収められた楽曲の素晴らしさが否定されるわけじゃないんですけどね。
尚、バンドは'84年頃に解散し、メンバーは新たにBLUE BLOODを立ち上げて2枚のアルバムを発表。もう手元にはないのですが、そっちも結構良かった記憶があります。

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