この曲を聴け! 

Spellbound / YNGWIE MALMSTEEN
帰ってきたクーカイ (2016-05-18 21:28:33)
 さて。新作が発表される。
 それで、3rdアルバムの項で宣言したとおり、もうこの人の新しいアルバムを聴くつもりはない。

 だが、本作にはたま~にだが、ついつい手が伸びてしまう。“もうしばらく聴くことはないでしょう”箱にもちょっと入れられない。何故なのだろう?と自問自答してみる。

 本作に対する評価は上で書いたので、同じことは繰り返さないのだが、まぁいかんせん音が悪すぎる。で、基本的に音が悪いと半分くらい聴く気が失せる。メロディを味わうのにえらく労力が必要となるからだ。
 それでもたまに聴く。どうしてこんなに本作が気になるのか考えてみたのだが、多分それは製作環境が極北に到達しているためなのだろう。イングヴェイ・マルムスティーンという一人のアーティストが、DIYで製作しているってのが、どうにも心にひっかかるのだ。超絶我儘なアーティスト(しかも言うまでもないがとんでもない才能を持っている)が、他者とのアーティスティックな交流を排除して、引きこもり気味に作ったものなのだから、「自分の作品」としてある意味これを超えるものなどないのでは、というのが私の結論である。とりあえずここ10年間(本作発表以前の10年間という意味)のイングヴェイの仕事は、これを聴いてりゃ大丈夫。そう思っちまったわけだな。

 そのような自己分析で本作が気になる理由が納得できた。
 故に、今後一切イングヴェイの作品は買わない(聴かない)というのは、条件付きの宣言に変更したい。
 今後、万が一きちんと唄えるヴォーカリストと、いずれも腕利きのベーシスト、キーボーディスト、ドラマーとバンドを組み、ちゃんとプロデューサーを雇い、プロがそれぞれ自分の音楽で会話するように、それでいながらイングヴェイの音楽をより高次元に持っていくような形でアルバムを作ったら。その時は、私はまたこの人のアルバムを買って聴きたい。
 そのような時が、いずれ来ないもんだろうかね。

→同意