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Sword Songs / GRAND MAGUS
火薬バカ一代 ★★★ (2016-06-11 00:12:06)
J.B.ことヤンネ・クリストファーズソン(Vo、G)率いる北限の益荒男メタル軍団、GRAND MAGUSが'16年に発表した7thアルバム。
手に取ってまず最初に目に飛び込んで来る≪8年ぶり最新作!≫という帯文句に、「おいおい」とツッコミを入れたくなりますが、そうしたレコード会社のやらかしはさておき。聴く者のメタルの血を沸騰させるJ.B.の灼熱Vo、図太く攻撃的に刻まれるGリフ、炸裂するようにブッ叩かれるリズムが、トリオ編成とは思えぬ音圧を伴い周囲を睥睨しながら突き進む、野蛮、勇壮、且つ劇的。「バーバリアン化したWARLORD」みたいなエピック・メタル・サウンドは、これまで散々言及して来た通りの強力さ。
音作り等からやや洗練志向も感じられた近作に比べ、本作のプロダクションは(良い意味で)小汚くてラフ。手で触ったら指先が真っ黒になりそうな感じの荒々しくササクレた音作りが、ヴァイキング軍団の進撃を思わす地響き立てまくりの①、アンセミックな③、GRAND MAGUS版“THE LAWMAKER”…とでも言いたくなる疾走ナンバー⑤、杭を打ち込むような重厚感溢れる⑨等、収録各曲の暗黒色底上げに貢献してくれています。
残念ながら今回は「年間ベスト・チューン」級の逸品は見当たりませんが、それでも楽曲はどれも力作揃い。何より長大になりがちなこの手のジャンルにあって、ボーナス・トラックであるDEEP PURPLEの名曲“嵐の使者”の好カヴァー⑪を含めても、収録時間が40分台とタイトに凝縮されているのも、アルバムの印象をグッと上向かせてくれていますよ。
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