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Volumen brutal / BARON ROJO
火薬バカ一代 ★★★ (2016-06-19 23:34:25)
KERRANG!誌の表紙を飾り、'82年開催のレディング・フェスティバル(この時は日本からBOW WOWも参戦)に出演する等、スパニッシュ・メタルの地位向上に大いなる貢献を果たしたBARON ROJOが、イアン・ギラン所有のKINGSWAY STUDIOでレコーディングを行い、KAMAFLAGE RECORDSから’82年に発表した2ndアルバム。(邦題『炎の貴族』)
メンバーの「ハゲ・デブ・ヒゲ」数え役満なルックスのハンデをモノともせず、現在までに世界中で200万枚以上のセールスを記録していると聞くバンドの代表作だけに、「たかが辺境メタルだろ?」とか舐めたこと抜かす輩には、「ラテン・フィルターで濾過したJUDAS PRIEST」的趣きでコテコテ且つ勇壮に疾走する、スパニッシュ・メタル史に燦然と輝く名曲⑥が、ジャケットに描かれた棘付きメリケンサックばりの正拳突きをお見舞いするぜ!と。
流石に捨て曲なしとはいかなくとも、NWOBHM然としたGリフ主導の疾走ナンバー①、メル・コリンズが威勢よくサックスを吹き鳴らす④、コリン・タウンズ(Key)がツインGとバトルを繰り広げるDEEP PURPLE風の⑧、スリリングなインスト⑩等、(多少粗削りでも)勢いに乗るバンドの充実っぷりがしかと反映された楽曲の数々は聴き応え十分。
尚、スペイン語と英語の2バージョンが流通していることで知られる本作ですが、後者の作詞作業に悪戦苦闘していたメンバーに力を貸してくれたのが、イアン・ギランの大ファンで、当時頻繁にスタジオに出入りしていたブルース・ディッキンソン(A.K.A. IRON MAIDEN)だったという。そんなアルバムにまつわるちょっといい話を記して、本感想文を締め括らせて頂きます。

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