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Division of Blood / SUICIDAL ANGELS
火薬バカ一代 ★★★ (2016-06-25 23:47:16)
昨年、待望の初来日公演を行ったグリーク・スラッシャー筆頭、SUICIDAL ANGELSが’16年に発表した6thアルバム。
変化球で攻めてきた前作に比べると、今回はのっけからストレートな疾走感が復活。と言っても、ただ単純に従来のスラッシュ・メタル路線へと回帰したわけじゃなく、曲作りにおいてメロディを印象的なアクセントとして用いる術を、前作の寄り道から「お土産」としてしっかり持ち帰っている辺り、実に抜け目がなく感心させられます。
この新たな方向性確立に大きく貢献しているのが、新加入のガス・ドラックス(G)。通称ガス・D…って、ガス・Gのパチモンみたいですが(ロッテに対するロッチ的な)、ガリガリ鼓膜を削るGリフのシュレッディングのみならず、華麗にして構築美溢れるGソロを随所で披露する等、ギタリストとしての実力は本家にも匹敵。楽曲は彼が加入する以前に既に書かれていたそうですが、例え用意された楽譜であっても、やはり上手い演者がプレイすると放たれる輝きは段違いのレベルという。
特に、緩急を活かしたOPナンバー①、アグレッシブ且つキャッチーな③、メロデスならぬ「メロディック・スラッシュ」とでも言うべき⑦といった、スパスパと歯切れの良い疾走感溢れる曲調に、メロディックなGプレイが鮮烈な彩りを加える楽曲は出色の出来栄え。こうした軟弱にならぬ程度にメロディが活かされたサウンド・スタイルは近年のKREATORに通じるものがあり、これならミレ・ペトロッツァも激賞しますわな、と。

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