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Fragments of Creation / SUNBURST
火薬バカ一代 ★★★ (2016-07-02 02:56:46)
SUICIDAL ANGELSでのガス・ドラックスの働きに感銘を受け、彼が関わるSUNBURSTのデビュー作('16年発表)も衝動買い。いやぁ、良い買い物でしたよ。
本作に託されているのは、テクニカルな演奏が緊張感と神秘的な雰囲気を醸成するプログレ掛かったパワー・メタル。但し、これみよがしの複雑さは控えめ。何より、強靭なリフの刻み、精緻な速弾き、泣きが迸るエモーショナルなフレージングまで華麗にこなしてみせるガス・DのGプレイと、絶品の歌唱力を誇るヴァシリス・ジョージオウ(Vo)が、サウンドに親しみやすい大衆性&劇的なフックを構築。お陰で、プログレ物にさほど入れ込んでいない身でも、胃もたれを起こさずにスルスルと聴き通すことが出来ますよ。
殊に、愁いに満ちたメロディをしなやかに歌い上げるヴァシリスの歌声は特筆モノ。ガス・DのGプレイは一足先にSUISIDAL ANGELSで体験していたこともあり想定の範囲内と言えましたが、ヴァシリスに関しちゃ全く予備知識がなかったため、CIRCUS MAXIMUSのマイケル・エリクセンや、MYRATHのザヘル・ゾルガティにも比肩する歌いっぷりに、もう1曲目からウットリと聴き惚れてしまいましたね。
パワー・メタリックな疾走感も堪能できる③、ゲスト参加のボブ・カティオニス(Key)が流麗に奏でるピアノが効果的な抒情ナンバー⑤と冷ややかな⑧、シンフォニックなオーケストレーションを導入した大仰且つドラマティックな大作⑩等、バンドが持つポテンシャルの高さを実感できる楽曲の数々を収めた本作は、CONCEPTIONやNEVERMOREを引き合いに出して語られるのも納得の力作に仕上がっているのではないでしょうか。

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