この曲を聴け!
Magica / DIO
帰ってきたクーカイ ★★ (2016-07-30 21:43:12)
先日、隣町のBOOK OFFを初めて覗いてみたら、かの“怒ったロボットちゃんたち”アルバムを見つけてしまった。
積極的に捜し歩いていたわけじゃないんだけど、中古盤屋に行くと(あるかな?)とみることがあり、まぁなかなか見つからなかった。ロニーが亡くなってDIOの活動というのは新しいものはあり得ない。そのような状況下では旧譜の再発も名作と評価されたもの以外は難しい。ロボット・アルバムは多分発表当時からその評価は厳しく、馬鹿売れしているとも思えない為、(こりゃあ、聴けないで終わるかな)と思っていた。
それがあったので買いました。これも何かの縁だし、やっと見つけたし。
どうしてロボット・アルバムの話から始まっているのに、『MAGICA』のコメントを書くのかというと、ロボット・アルバム(いずれコメントするかもしれない)を聴いていて、クレイグ・ゴールディを改めて聴きなおしたいと思ったからだ。
クレイグが初めてスタジオ・アルバムで参加した4thアルバムについては、1stから3rdの流れを順当に汲む名作だと思っているので、とりあえず置いておく。ここで興味の対象となるのは、本作を皮切りとした後期のDIOだ。
本作は発表当時に聴いていて、「う~ん。これは・・・地味だなぁ」と何度か聴いた後、その後はあまり聴くことはなかった。しかし改めて腰を据えて聴いてみると、中にはほどほどに良い曲が収められていると思った。⑩とかは後半にあってピシリと作品を良く締めている。
前半はミドルテンポの曲が多い印象で曲調が似てしまう。若干アップテンポの曲(⑤)とかもあるのだが、配置がアルバム中盤なので刺激が弱まる。コンセプト・アルバムなので、ストーリーを意識して曲を作っているのだろうから、配置については「こうなんだ」と言われると「はい、そうですか」となる。だが、せめて3曲目くらい(本当は冒頭で思い切りガツンといってもらえると良いのだが)に早い曲があったら、アルバム全体の印象も違っていたかもしれない。
それはそれとして今回感じたのは、クレイグのギターがそれなりに善戦していたことだ。
メロディも(全体的にヘヴィなのだが)頑張っている。
この人は技術的には問題無いしメロディセンスも良いと思うのだけれど、どこか地味な印象が拭えないのは自分の(本当の意味での)音楽というのが見つけられなかったせいだろう。「これがやりたいんだ。これが俺の音楽だ」というのが希薄だ。
リッチー・ブラックモアになりたくて、リッチー並み(場合によってはそれ以上)のテクニックは身につけたものの、そこからさらに先に進んでいくことが出来ていないように思える。多分人柄としてはとても良い人で素直な性格なのかもしれないが、やっぱりどこかで(表現のために)「ここはキレさせてくれ」みたいな局面が必要だったんじゃないかなぁ。
似たような人にダグ・アルドリッジがいます。
なにかけなしているような感じになってきたけれども、そうではなくて、本作はなかなかの良作だと思います。
でも最後の“お話”はいらない。
→同意