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Metal Health / QUIET RIOT
火薬バカ一代 ★★ (2016-08-05 22:35:15)
'83年にリリースされ、HR/HM作品としては初めて全米チャート№1の座をゲットしたQUIET RIOTのデビュー作。本作の大ヒットにより「メタルが商売になる」と確信を得たレコード会社が一斉にHR/HMバンド獲得へと走り、アメリカでの空前のメタル・バブルを大きく援護した…という意味でも記念碑的名盤。
音楽性は、雲一つない青空の下でバカでっかいアメ車を飛ばしまくるかの如き、絵に描いたようなアメリカン・メタル。普段は泣きや哀愁を追求している我が身とはいえ、時にこの底抜けにポジティブで豪快なサウンドに、鬱積するストレスをスカッと吹き飛ばされるのも悪くねぇな!と。特にバンドの代表曲にして、LAメタルのテーマ曲とでも言うべき②(全米シングル・チャート最高5位)は、聴く度に大口開けて合唱したくなりますよ。
このキャッチーな名曲や、これまたチャートで健闘したアルバム表題曲①といった明朗快活な楽曲の印象が強い本作ですが、実は、愁いを帯びたシャープなHRナンバー⑥、ハイエナジーに突進する⑦、故ランディ・ローズに捧げられた抒情バラード⑩のようなタイプの楽曲も収録されていて、油断なりません。
成功の階段を物凄い勢いで駆け上がり、同じぐらいのスピードで転げ落ちていった見事な一発屋ぶりと、その大きな要因とされるケヴィン・ダブロウ(Vo)のビックマウスが揶揄される機会の多いバンドですが、本作はルックス同様のクドさ全開で迫り来るケヴィンの歌唱にしろ、骨太な楽器陣の演奏にしろ、確固たる個性と実力がしかと息衝く1枚です。

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