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Mass Confusion / DUST BOLT
火薬バカ一代 ★★★ (2016-08-13 08:41:00)
DUST BOLTも気が付けば本作で3作目('16年発表)。ちゃんと国内盤が発売され、かつて栄華を誇ったスラッシュ帝国ドイツの面目を保っています。
ハードコア/パンク由来の爆発力を有する①と、間髪入れずに畳み掛けるDUST BOLTらしさ全開の②が先制パンチをカマしてくる本編は、千切っては投げ、千切っては投げ…といった歯切れの良さで歌詞を投げつけて来るVo、切れ味鋭いカミソリGリフ、俊敏なフットワークを誇るリズムetc.をフィーチュアして、「せかせか疾走感する微塵も落ち着きのないスラッシュ・メタル」という大枠を今回もしっかりと維持しています。
一方で、Voが適宜にメロディを追う④や⑩辺りを聴けば分かる通り、これまで以上に歌メロやGソロがメロディアスに、曲展開には緩急を導入。特にVoがノーマル声でムーディに歌い上げる⑦なんてまるでバラードのよう…と書くと、「じゃあ聴くのやめようかな」と迷いが生じる硬派なスラッシャー諸兄がいらっしゃるかもしれませんが、どうしてどうして。この曲も愁いに満ちたメロディに胸打たれる逸品ですし(後半はへヴィにパワーUPする)、何よりも、アカペラ・コーラスによる人を食ったイントロ、腰の位置の高いパンキッシュな疾走感、トライバルなグルーヴ、そして劇的なタイミングで炸裂するGソロが一緒くたに突撃する⑥のような、新しい音楽的試みと従来からの持ち味が高いレベルで結実した、魅力的な楽曲の数々を聴かずに済ませてしまうなんて勿体なさ過ぎますよ!と。
一般的に「勝負作」とされる3作目のハードルも楽々と飛び越える力作ではないかと。
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