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Cycle of the Moon / PROPHET
失恋船長 ★★★ (2016-08-28 13:25:47)
US産メロディアスHM/HRバンドが1988年にリリースした2nd。シンガーがラッセル・アルカラに変更、彼の叙情的で温かみのある歌声が優しく響き渡る歌モノ路線をひいているが随所に拘りの演出を施しており、一聴した耳馴染みの良さと共にスコット・メタクサスを中心に演者の拘りが強く滲み出た意欲作。時代は1988年、メタルバブル全盛の中でのメジャーデビュー故に、このようなライトな作風に舵をきったも頷けるのですが、ちょっとでもコマーシャルな事をすると叩く、狭義で生きている人を相手にするよりも遥かに重要な高い次元のパフォーマンスとクオリティを保持しており、メロディックなアメリカンロックが好きな人にはたまらんでしょうね。アルカラのハスキーヴォイスが切なげなメロディを歌い上げる②の出来栄えたるや、メロディ派ならグッとくること請け合い、質感こそライトになったが演奏は相変わらず上手い、その流れは前作にも通ずる③⑤、哀愁のアメリカンロック④、アコギを生かしたセンシティブなバラード⑥など前半からバラエティに富んだ充実した楽曲を放り込み、⑦以降もテンションを下げる事無く最後まで進んでいきます(⑨はインストナンバーでフラストレーションを吐き出すが如く場面展開の多いプログレサウンドを敢行しております、PROPHET死なずですね)。良いメロディと質の高い楽曲、そしてテンションを下げさせない堅実なパフォーマンスは職人級のお手前、時代性を飲み込みつつ制約の多い中で、自分たちの流儀を貫いた意欲作、その心意気に呼応するように充実した一流のメロディックロックにのめり込みますね。質の高いメロディってのは時が過ぎても色褪せませんね。ドラムの音の作りとか上手いんだよなぁ。
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