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TNT / TNT
失恋船長 ★★ (2016-08-30 13:38:28)
初代Voダグ・インゲブリットセンのソングライティング力が強く反映されている事で知られる記念すべき1st。 Harley Davidson、U.S.A.というタイトルからイメージする通りの、ポップでノリの良いアメリカンロックを披露、後にドラマーのデイーゼル・ダウルが結成するTINDRUMの(後にダグも参加)原型とも言えるスタイルをこの時点で築き上げており、彼らの代表作と呼ばれる『INTUITION』のような北欧特有の透明感は希薄ですが、明朗快活なサウンドは総じて高いコマーシャル性を押し出しおり、売れる気満々である。ダグの悪声がどうにも噛み合わせが悪く、ポップフィーリングを生かし切れていないが彼らが曲を書いているというのがゲイリー・バーテン的な哀愁を誘い、シンプルな構成の楽曲に時折舞い降りる哀愁とエッジの立ったギターが絡み合う姿に後の方向性と重ね合わせ楽しんで聴いていますね。
今作から②と⑤が2ndにリメイクされますで聴き比べるのもお楽しみの一つですかね。RAINBOWチックな⑤なんてダグが曲の良さを殺してますからね。この後、シンガーをアメリカ人のトニー・ハーネルに交代するのですが、ライトでアメリカンな音楽性を持ち込んだのは全て彼の仕業と思っていたのですが、実は最初からアメリカンなバンドだった事に今作を聴いて一番驚きました、それにこの音楽性だからホンマもんのアメリカ人を加入させたのかぁと思っています。
結局、ノルウェーやスウェーデンといった北欧では成功を収める3rd、4th、我が国日本でも名盤と崇められたのですが、アメリカでは売れる事無く活動は尻すぼみ、ラウドネスとストライパーの3組で東海岸ツアーを行うも客入りが悪くツアーをキャンセルせざる負えなかった80年代後半、メタルバブルも弾け、1992年に当時のアメリカ市場を開拓する音楽性で勝負に出るが惨敗と、最後までヒットに恵まれなかった彼ら、その音楽性の第一歩を飾る今作ですが、平凡で退屈極まりないと言われるとそれまでですが、飾りっ気なしのシンプルな音楽性と楽しみたく3年に1回は通して聴いておりますね。なんだかんだ言っても憎めない愛着が個人的にはありますので、ただ聴き進むにつれての尻すぼみ感はハンパないですけど

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