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Juggernaut / VOLCANO
火薬バカ一代 ★★★ (2016-09-04 09:05:43)
あのVOLCANOから、たったの1年のインターバルで届けられた新作。俄かには信じられず、店頭で手に取った時は「本当に新作か?」と、思わず慎重にチェックしてしまいましたよ(失礼な)。
これまでOPには必ず名曲を配して来た彼らゆえ、今回も勇壮なインスト序曲①に続き、激情を叩きつけるかのようなNOVの歌声、金属質なリズムをソリッドに鍛造するAKIRAとSHUNのリズム隊、そしてクッサクサの泣きメロを縦横無尽にお見舞いしてくる屍忌蛇のGプレイとが、熱く激しく燃え盛るスピード・ナンバー②で、早くも基本的音楽性に変わりがないことをアピール。
一方で、ひと際メロディックな仕上がりを聴かせる④⑤といった楽曲に顕著に表れている通り、オーセンティックなHM成分もここに来て益々の高まりをみせています。屍忌蛇の紡ぐ泣きメロが「慟哭」を通り越して、時に「昭和歌謡」の領域に突入せんとする勢いなことと併せて、モノによってはANIMETALを聴いているような感覚に陥る場面もチラホラ。なので、かつての「歌えるシンガーを擁したメロデス・バンド」的ストロング・スタイルに愛着を覚える向きには評価が多少揺れる可能性も有り。昭和度の高い哀愁と、ヒロイックな曲調がベスト・マッチをみた⑦みたいな名曲を聴けば、個人的には「ばっち来い!」ってなもんですが。
バラード⑪で本編が締め括られるため、聴後感が妙に厳かな点(「ライブの最後の曲がバラードでした」的な)が引っ掛かるものの、楽曲自体はアルバムのハイライトの一つと言うべき劇的さ。この普遍的正統派HM性を増した構成も、今後のバンドの進路を示唆しているのかな…とか思ったり。

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