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Balance / BALANCE
火薬バカ一代 ★★★ (2016-09-13 22:21:45)
ポール・スタンレー(KISS)のソロ・アルバムのレコーディング作業に参加したことを切っ掛けに知己を得た、ペピィ・カストロ(Vo)とダグ・カッサロス(Key)、それにブルース・キューリック(G)の3人により結成されたバンド(リズム・セクションはセッション・ミュージシャンを起用)が、’81年に発表した1stアルバム。先日、仕事帰りにCD屋に立ち寄ったら本商品がディスプレイされていて、意外なことに国内盤が出るのは今回が初めてとの情報を教えて頂き――帯付きの輸入盤は数年前から出回っていましたが――思わず購入してしまいましたよ。
軽快に跳ねるメロディ、都会的なアレンジ・センス、飽くまで楽曲の主役は「歌」でありつつも、適度な自己主張を怠らない楽器陣とが織り成す、AOR/産業ロック的ポップネスと、プログレ・ハード的技巧が違和感なく溶け合わされたサウンドは、なるほど確かに、アルバム発表当時「TOTOに対する東海岸からの返答」と評されたのも納得です。
弾むような曲調が完全にTOTO路線の洗練されたポップ・チューン①②で掴みはOKとなる本作ですが、個人的に好みなのは⑤⑥⑦といったプログレ・ハード路線の楽曲。中でも悲し気なイントロに続き、ピアノを伴ってリフ&リズムが力強く刻まれる⑤はSAVATAGEの名曲“GUTTER BALLET”に影響を与えたんじゃないかと、昔から密かに思っている逸品。
なお、ノンクレジットながらポール・スタンレーが⑧にコーラスで参加しているのだとか。

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