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Voices in the Night / MASS
火薬バカ一代 ★★★ (2016-09-22 09:22:53)
「さて、マスでもかくか」と呟いたら白い目で見られてしまいましたが、いや違う。そうじゃなくて。マスはマスでも、ここに書き記すのはボストン・マサチューセッツ(略称MASS)出身の5人組が、'89年にENIGMA RECORDSに残した3rdアルバムについて。
彼らのことは「STRYPERの弟分」的イメージで見ていましたけど、国内盤の解説によれば結成は80年代初頭まで遡り、2枚のアルバムでトム・アロムやトニー・プラットといったプロデューサーとも仕事をしてきたキャリアの長いバンドだったんですね。(元マネージャーとの間で起きた訴訟トラブルのせいで、思うように活動ができなかったとか)
クリスチャン・メタル界の先輩マイケル・スウィートをプロデューサー(&バックVo)に招聘した本作で聴けるのは、張りのあるシンガーの歌唱法、ドラマティックなツインGの出し入れから、美麗なボーカル・ハーモニーまで、「まるでSTRYPER」なHMサウンド。そりゃ方々で指摘された通りオリジナリティに関しては疑問が残りますし、本家に比べると小じんまりとまとまっていて、メロディの扇情度や曲展開にフックが今一歩足りていないのも事実です。しかしながら、憂いを湛えたメロディック・メタル・ナンバー①や、神々しいコーラス・ワークが印象的な③、うっとり聴き惚れるバラード④、イキのいいGリフがハードに疾駆する⑤のような、単なる二番煎じと切り捨てるには惜し過ぎる魅力を放つ楽曲を前にすれば、「半端なオリジナリティより、優れたフォロワー!」と、断固本作を支持したくなるのが心情というものですよ。
この後MASSはENIGMAの倒産に巻き込まれて契約を失い解散してしまうことになるのですが、現在は再結成を果たし活動中。彼らの今後に神のご加護があらんことを。

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