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Tales of Creation / CANDLEMASS
火薬バカ一代 ★★★ (2016-10-02 08:38:16)
CANDLEMASS来日の報に触れ、自宅の棚を漁って引っ張り出した'90年発表の3rd。
本名エディ・マコーリン、しこ名…じゃなくてステージネームはメサイア・マコーリン(Vo)を擁するラインナップの最終作となった本作は、『創生神話』なる仰々しい邦題を手始めに、まるで宗教画の如き威容を誇るアートワーク、ストーリー・アルバムさながらに曲間の切り詰められたドラマティックな構成等、まさしくメサイア在籍時代のCANDLEMASSを総括するに相応しい、集大成的内容に仕上がっています。
陽の当たらぬ地下世界へと、ズブズブ沈み込んでいくような錯覚に陥るBLACK SABBATH直系の楽曲群は、徹底してダークな色合いで塗り潰されているにも関わらず、邪教の神官の説法を思わすメサイアの朗々とした歌唱に、荘厳なドラマ性漂わす曲展開、北欧のバンドならではの荒涼たる泣きと憂いを孕んだメロディとが重厚に組み合わさり、例え暗黒色で統一された世界観であっても(さながら名匠の手による絵画の如く)豊かな陰影が迫り出し来るかのよう。また、意表を突いて流麗なGプレイを伴いスピーディにかっ飛ばすインストの名曲⑤が本編に起伏を演出したりと、この手のバンドにありがちな単調さや、ダラダラとした冗長感も皆無。そういえばドゥーム・メタルなんて言葉が一般化する以前は、単純に「良く出来た様式美HMアルバム」として本作を楽しんでいたことを思い出しましたよ。
CANDLEMASSというブランドに敷居の高さを感じてしまう初心者リスナーにも取っ付き易い1枚と言えるのではないでしょうか。
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