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Concussion Protocol / VICIOUS RUMORS
火薬バカ一代 ★★ (2016-10-03 22:53:27)
開巻早々から、殺伐としたリフ&リズムが押し寄せる’16年発表の12thアルバム。暗鬱な「人類滅亡」をテーマを据えたバンド初のトータル・コンセプト・アルバムに相応しく、メロディよりも、怒りに満ちたアグレッションとヘヴィネス重視の作風に仕上がっています。
…と書くと、カール・アルバートを喪ったVICIOUS RUMORSが迷走した90年代の作品群のことを思い出す方も多いことかと。しかしながら首魁ジェフ・ソープ(G、Vo)は、あれらで得た経験をちゃんと今回の曲作りに反映させ、同じ失敗(と敢えて表現させて貰いますが)を繰り返す愚を犯してはいません。ドスの効いた1曲目にしても、テクニカルに閃くGソロが流麗なアクセントを加えてくれますし、劇的にハモるツインGをフィーチュアしてパワフルに突っ走る④や、バラード調に始まりじっくりと盛り上がっていく⑦はVICIOUS RUMORSの真骨頂(ライブ映えしそうな⑧もユニークな存在感を放つ出来栄え)。これらの楽曲において強力な喉を披露してくれている新Voニック・ホレマンも、前任シンガーに勝るとも劣らぬ実力者であることは明白。ただ今回のようにメロディックな歌い上げよりも直線的なシャウト主体のサウンドでは、実力を十二分に発揮できているとは言い難いかな?
印象に残る楽曲とそうでない楽曲の落差が激しく(特に終盤が弱い)、問題作であることは否定できませんが、単なる自己満足のオナニー作品でないことは請け合える、そんな1枚であります。
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