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Virgin Killer / SCORPIONS
火薬バカ一代 ★★★ (2016-10-13 23:45:06)
股間に亀裂の入った全裸幼女をジャケットに戴き、オマケにタイトルが『VIRGIN KILLER』…。このご時世じゃ完全アウトな’76年発表の4thアルバム(邦題『狂熱の蠍団』)。
とは言え、ロリコンを狙い撃ちしたわけでも露悪趣味に走ったわけでもなく、SCORPIONSが繰り出す切れ味鋭いHRサウンドが身に纏う、過激さや危険な雰囲気、それらと相反する美しさといった要素を巧みに可視化したこのジャケットは、センスフルな「アート」としての価値も十分。特に再発盤ジャケの脱力具合と見比べると、尚更そう感じざるを得ませんよ。まぁ流石にこれをLPサイズでディスプレイする度胸は持ち合わせていませんけどね。
音楽性の方では、哀愁とハードネスが絶妙な融合を見たOPナンバー①や、クラウス・マイネの熱唱が胸焦がす疾走ナンバー②による畳み掛けが雄弁に物語る通り、初期プログレ色はほぼ一掃され、暗く、激しく、それでいてどこか物悲しげな響きも湛えた「ウリ・ロート在籍時代のSCORPIONS」と言われて想起するサウンドが確立。ハードな曲は徹底的にハードに、抒情的な曲は徹底的に悲しくメロディアスに…と磨き込まれた作風の美点は、全メンバーがカミソリの如き切れ味で荒れ狂うアルバム表題曲⑤と、逆に「落ち込んでる時に聴いたら自殺したくなる」と評された、暗闇の中で途方に暮れるかのようなバラード⑨という、「動」と「静」の名曲に集約。特に前者は元祖HMナンバーの一つとして、後のNWOBHMにも少なからずインスピレーションを与えたのではないかと。
あと余談ですが、ジャケットでモデルを務めた少女は、この件のについて「若い頃の良い思い出」とメンバーに語ってくれたそうな。

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