この曲を聴け! 

修羅囃子 / 人間椅子
失恋船長 ★★ (2016-11-04 18:14:04)
前作で方向性を広げてきた彼らですが、ファンからも評判がよろしくなかったようで、今作はその反省を踏まえ従来のスタイルに寄せてきたアルバム。重苦しいグルーブに加え従来の土着的なメロディ、そして日本文学や仏教にも通ずる世界観を投影した歌詞、そのオリジナルティに磨きを掛けつつ前作とシャッフルしても違和感のないような楽曲も用意し多様性をアピール、単純に寄せにきただけではないバラエティ性もあり、その辺りに苦心の跡も伺えますね。
ファンというのは複雑怪奇なモノで、やりすぎると叩かれるが、寄せすぎると冒険心がないとこれまた不満を持たれ、アルバムセールス的には良くなかったと言われる今作ですが、統一感があり筋道もしっかりと示されているので旧来のファンにとっては無難に楽しめる一品ではないでしょうか、前作より音質もグッと深みを増し、拘りのフレーズや音色がより濃淡がついた味付けで提示されているのも安心感につながっていますね。

→同意