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Memoirs / MINSTRELIX
失恋船長 ★★★ (2016-11-08 17:37:53)
今や国内を代表すると言っても過言ではないメロディックメタルの雄、関西を拠点に活動するMinstreliXが2007年にリリースした1st。アメリカ人女性シンガーのローラさんフロントに据え、デビュー当時から貫かれるコテコテの関西風シンフォニックワールドは全開に華吹雪舞い踊り、高揚感のあるスピーディーなフレーズと扇情力の高い泣きのメロディ、日本人の琴線に触れるべく美旋律の数々は、まさに湖畔に佇む綺麗なお城サウンドとなり変わり、目の前で繰り広げられています。センスとテクニックに裏打ちされたプレイは、その筋のマニアにとっては火の打ちどころのない完成度を誇っているでしょう。楽曲に一段と華を添える華麗なるキーボード、タイトに締めあげるリズムプレイ隊が放つ盤石のグルーブ、流麗なギターサウンドはバンドの根幹をなし、中低音域を駆使し歌いきるローラさんのパフォーマンスもクオリティを下げる事無く、また英詩も滑らかな聞こえるので、日本人好みの欧州産シンフォニックネオクラバンドとして楽しむ事が出来るでしょうね。
個人的に、この手の音楽性は主食にあらずで、恐ろしい位に他バンドの流用があったとて気がつかないのですが、スピーディかつパワフルに駆け抜けたと思ったら、フォークトラッド調の楽曲やジャジーな⑤、11分にも及び大作もあったりと、飽きさせない工夫を凝らした演出がニクいです。荘厳、美旋律、劇的、クラシカル、そして哀愁はあるのにキャッチーなメロディを併せ持つという親しみやすさは多くのファンや、これからメタルを聴きたいと言う人には即効性も手伝いウケる要素も強いでしょう。力強いリズムに支えられた美麗で繊細なメロディは馴染みやすいですからね。

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