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Touch of Sin / SINNER
火薬バカ一代 ★★★ (2016-11-26 09:33:22)
ツインGの片割れを元ACCEPT~現PANZERのハーマン・フランクに代え、’85年に発表された4thアルバム。ファンからは「初期SINNERの最高傑作」との高評価を獲得、バンド側にしても、初期楽曲の再録アルバムに『A TOUCH OF SIN 2』(’13年)なるタイトルを冠するぐらいですから、内容に対する自信の程が伺えます。ジャケットだけ見るとまずそんな風には思えないかもしれませんが(笑)。
THIN LIZZYからの影響を感じさせるメロディアスHRが胸を打った1stと2nd、ACCEPT、JUDAS PRIESTを思わすパワー・メタル路線に寄せた3rdと来て、今回は従来作の美点の集約を企図。哀メロを纏って踊るツインGのハモリっぷりに思わず目が細くなる②や、ポップ・センスも活かされたキャッチーな③という、SINNER屈指の名曲が雄弁に物語る通り、2本のGが印象的に紡ぐメロディの哀愁とHM然とした力強さの絶妙なバランス、ハードに疾走しようがクサく泣こうが(あとマットの歌声がお世辞にも美声とは言い難かろうが)、常に透明感を失わない本作は、前3作の「美味しいとこ取り」とでも言うべきサウンドに仕上がっています。
以降も、タイトル通り一緒に叫びたくなる④、メロウな⑤、アグレッシブに疾駆する⑦、これまたツインGの活躍が印象的な⑨etc.…と、本編はラストまで一切捨て曲なし。振り返ってみると、聴かせるよりもノらせるタイプの代表曲①が一番地味に感じられたりするのですが、あれはライブで真価を発揮するタイプの楽曲ですからね。
SINNERは山程アルバムを発表していて何から手を付ければいいのか分からないという方は、「SINNER節」の基礎が確立した本作から入ってみるのが良いのではないでしょうか。

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