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Comin' Out Fighting & Dangerous Charm / SINNER
火薬バカ一代 ★★★ (2016-12-05 23:59:50)
エンジェル・シュライファーとマティアス・ディート。ジャーマン・メタル・シーン指折りの実力派ギタリスト二人を新メンバーに加え、マット・シナーも「SINNERが最も充実していた時期の一つ」と述懐する強力なラインナップでレコーディングが行われ、'86年に発表された5thアルバム。(尤も、エンジェル・シュライファーは制作途中でPRETTY MAIDSに引き抜かれてしまうのですが)
前作『TOUCH OF SIN』は、絶妙なバランスでハードネスと哀愁のメロディが共存する「SINNER節」と表すべきサウンドを確立させた名盤でしたが、ドン・エイリーをゲストに迎えてKeyのフィーチュア度が格段に高まった今作は、コマーシャル路線へと大きく舵を切り、早くも音楽性に拡散の兆が見受けられるようになりました。
とは言え、明るくポップに疾走する①にしろ、タイトル“FASTER THAN LIGHT”に反して全く走らないけれど憂いを帯びたメロディには非常にグッとくる②や、本編のハイライトの一つに挙げたいぐらいハマっているビリー・アイドルのカヴァー⑤、それに軽快に駆け抜けていく⑥にしろ、シンセ類を活かした洗練を感じさせるアレンジから、相変わらずフックに富むメロディまで、楽曲の完成度は前作にも引けを取らない充実度。尚且つ攻撃的なツインGが映える⑨みたいなHMナンバーもちゃんと押さえられていたりと、隙のない作りが実に立派です。SINNERファンの間で高評価を受ける1枚なのも納得ですなぁと。
ちなみに、かつて再発された日本盤は次作『DANEROUS CHARM』との2㏌1仕様(発売元のビクターの得意技でした)。もしご購入を検討される場合はお得なそちらをどうぞ。
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