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Brotherhood of the Snake / TESTAMENT
火薬バカ一代 ★★★ (2016-12-10 11:16:05)
各国で軒並み好評を得た前作『DARK ROOTS OF EARTH』の成功を受けて、新作では更にへヴィ&メロディアスな方向に歩みを進めるものと思いきや。のっけから鋭角的に切り込んで来るOPナンバー①のGリフの切れ味が体現するかのように、今作は再結成以降の作品の中では抜きん出た「80年代度」の高さ。1stや2ndといった初期の名盤に通じる要素を多分に含んだスラッシーなサウンドを実践してくれていてビックリドッキリですよ。
中でも、前掛かりで歯切れ良く突っ走る③⑨や、イントロから猛然と畳み掛ける⑥、80年代のMETALLICAを彷彿とさせる⑧(アレックスの泣きのGソロが素晴らしい)、重厚な導入から一転、暴風の如く爆走を開始する⑩といった楽曲には、往年のTESTAMENTのエッセンスが濃厚に息衝いていて思わず頬が緩みましたね。
と同時に、今も現役感バリバリで戦い続ける彼らが演ること。野太い咆哮轟かせるチャック・ビリー、刻み/奏で/ハモるアレックス・スコルニック&エリック・ピーターソンの切っ先鋭いツインG、そしてスティーヴ・デジョルジオという腕利きBの相棒を得て、水を得た魚の如く暴れ回るジーン・ホグランのドラム等、タレント揃い現行ラインナップが叩き付けるサウンドに懐古趣味の匂いは皆無。対向車も思わず道を譲る強面の攻撃性や、黒光りする重厚感は、80年代とは異なるステージにバンドが立っていることを物語ります。
オールドスクールな構築美とモダンなエッジを併せ持った曲作りから、あれもこれもと欲張らずに40分台とジャストな収録時間にまとめ上げた本編構成まで、今のバンドの充実っぷりというか、余裕綽々な感じに痺れる1枚かと。

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