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Indiscreet / FM
火薬バカ一代 ★★★ (2016-12-29 00:18:05)
名前は知っていても、ちゃんと音に触れたのは名曲“CLOSER TO HEAVEN”が最初ゆえ、FMについては「ブルージーな味わいを取り入れたメロディックHRバンド」という認識でいたのですが、後で「いや、初期の頃は違ってたらしいよ」と教えて貰い、興味を引かれて購入したのが、この’86年発表のデビュー作。
キラッキラに眩く煌めくシンセをふんだんに取り入れた音楽性は、例えばVAN HALENの“JUMP”を思わす曲調に乗せて、屈託なくアメリカへの憧れを歌い上げた⑤に代表されるように、まさしく80年代ど真ん中なハードポップ・サウンド。そのブルーズ要素ゼロっぷりに、なるほど。こりゃ確かに90年代以降のFMとはかなり違っているなぁと。
いやでも、哀愁を湛えて弾むOPナンバー①や、明るく爽やかな②、ドラマティックな導入部だけで掴みはOKな④、心地良く駆け抜けて行く⑥…といった具合に、高いヒット・ポテンシャルとフックを有する収録曲の数々を聴けば、皆様が仰られている通り「これはこれで全然あり!」。何よりスティーヴ・オーヴァーランドはこの頃から既に歌がメチャウマで、80年代初頭から兄クリスと共にWILDLIFEでキャリアを積んで来ていただけあり、感動的なバラード③におけるエモーショナルな歌唱なんて思わず涙がちょちょ切れるレベル。
尚、最近発表された本作のリレコ盤『INDISCREET 30』も素晴らしい出来栄えでして、スティーヴのVoやメンバーの演奏が一層円熟味を増したことで、よりしっとりと抒情的に奏でられるメロディアスHRサウンドに時間を忘れて聴き惚れてしまいましたわい。

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