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帰ってきたクーカイ (2017-01-12 23:09:38)
 体調を崩して数日寝込んでいたのだけれど、発熱していると睡眠が簡単にとれないんですよね。熱が上がってくるときは悪寒がするし、身体の節々が痛いし。
 仕方がないので数年前に入手して山積みになっていた本の中から数冊やっつけることにした。
 家人は「あんた調子悪いのになんで寝てないのよ」と冷たい目だったが、寝られないんだって。ぐっすり寝ることが出来るのは健康の証しだと、改めて思いましたね。

 ①『ディアスポラ』 グレッグ・イーガン 2005年発行 早川書房
 これは多分書いてあることの半分も理解できていないと思うのだけれど、その話の筋立てを追っかけているだけで面白かった。
 私はハードSFの熱心なファンではないのだが、解説などを読んだ限りではどうもハードSFの極北と言っても良いくらい、ある意味で非常に難解な作品らしい。いや、「らしい」じゃなくて実際にとても難しかった。だけれども、展開がとてもスピーディーで(理解できない理屈の部分はチャチャっと読み飛ばしても全然問題ない)、次から次へと危難が襲ってきて、風呂敷が信じられないくらい広がっていく。とてつもなくスケールの大きい作品です。
 ちょっととっつきにくいところ(こともあろうに序盤が一番難しい)があるけれども、いかにも「SFを読んだぁ!」という気にさせてくれる名作です。

 ②『果しなき流れの果に』 小松左京 2011年第7刷発行 角川春樹事務所 初出は『SFマガジン』昭和40年2~11月号
 スケールの大きな作品といったらこれも読んでおかなければ、ということで日本SF界のゴッドファーザー(ちょっと違うか?でも日本を代表するSF作家であることは間違いない)の代表作もいきました。
 これは・・・。大勢の人がオールタイムベストに押すのも当然ですわ。と納得の傑作。発表から半世紀経っていても全く古びていない。まさに不朽の名作。イーガンの風呂敷の広げ方には驚いたが、本作もガッツリ広がっている。時間軸は億単位、座標軸は光年単位です。しかもアクションもロマンも詰め込まれており巨匠の仕事に恐れ入るばかりです。

 ③『闇の左手』 アーシュラ・K・ル・グィン 2006年26刷発行 早川書房 原著は1969年発表
 これも一見堅そう(やや難しそう)なので後回しにしていたのだけれど、読んじゃえ、ということで読みました。
 作者は『ゲド戦記』を書いた人(ジブリの『ゲド戦記』を思い浮かべ、「あぁ、あれね」と思いジブリのそれしか知らない方がいたら、あれはシリーズタイトルと一部登場人物の名前を拝借した全く別の物語です)で、ファンタジー/SFの世界では大家ですね。
 この本も多くの人が名作というだけのことがある作品です。
 舞台となる世界の情景や登場人物の心の描写がとてもリアルで、ネタばらしはしませんがストーリーが泣けます。

 久しぶりにSFを読みましたが、やっぱり良いもんですね。
 熱も下がって、頭もすっきりクリアになりました。

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