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Big Game / WHITE LION
火薬バカ一代 ★★★ (2017-01-25 23:18:42)
’89年発表の3rdアルバム。注目を集めた1st『華麗なる反逆』でホップ、全米チャートTOP10圏内を射程に収めた2nd『PRIDE』でステップと来て、いよいよ本作で栄光に向かって大ジャンプを決める…筈が、HR/HMシーンの潮流の変化もあってか思ったほど飛距離(チャート・アクション)が伸びぬまま着地。結果的に上り調子だった前2作の勢いに影を落とす形となったため、漠然と「コケた作品」との印象が付きまとっていたのですが、メタル・バブル爛熟期の当時ならともかく、バブル熱が冷めきった今にして思うと、全米チャート最高第18位という成績は立派に健闘してる方だったよなぁと。
音楽的には、ウェットなヨーロピアンHRと、カラッと明るいアメリカン・ロックの割合が7:3ないし6:4ぐらいだった前2作に比べ、マイケル・ワグナーが手掛けた音作りからしてブライトな今回は、その比率が1:9ぐらいで完全に逆転。中には本編をハード且つドラマティックに締め括る⑪みたいな楽曲もあるにはあるものの、作品全体を支配するのはやっぱり、アメリカ市場での更なる躍進を見据えたポップ・メタル・カラーという。
そんな中で気を吐くのがヴィト・ブラッタの「歌う」リードG。ノリノリの⑦、爽やかなバラード⑧、ドラマティックな⑪といった秀曲において、フラッシーだったりメロディアスだったり情感に溢れてたりと、各曲調にマッチした多彩なGプレイを提供。中でもポップな名曲①における絶品に構築されたGソロは必聴ですよ。(評価が割れがちなマイク・トランプのVoも、こうしたハーモニー重視の作り込まれたサウンドには実によく馴染みます)
なぜ多くのマニアが、このギタリストのミュージシャン稼業からの引退を惜しむのか。その理由を解するのに打ってつけの1枚ではないでしょうか。

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