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Bon Jovi / BON JOVI
火薬バカ一代 ★★★ (2017-02-05 22:15:26)
愛して止まない作品なのですっかりコメントした気になっていましたが、実際はまだ何の発言もしていなかったBON JOVIのデビュー作。(’84年発表)
80年代にBON JOVIが確立し、HR/HMシーンを完全制覇したポップ・メタル・スタイルに親しむ向きには、ここで聴かれる少々青臭いジョンの歌唱や、詰めの甘さを露呈するプロダクション及び音楽性には違和感バリバリやもしれません。しかしながら個人的には「そこがツボなんですよ!」と。まだ海の物とも山の物ともつかない新人バンドでしかなかった彼らが、全力を振り絞って奏でても尚垢抜けきれないHRサウンドにグッと来ます。
というか本作は、Keyによる印象的なイントロ、胸を打つ哀愁のメロディ、適度なノリの良さに加えて、一緒に口ずさめるキャッチーなコーラス等々「アメリカン・メロハー斯くあるべし」(というか寧ろ、これ1曲で自分の中でアメリカン・メロディアスHRの理想像が規定されてしまった気さえする)OPナンバー“夜明けのランナウェイ”の無敵ぶりだけで100点満点を進呈したいぐらいでして。このド級の名曲で聴き手の鼻面を張り倒して以降も、仄かにプログレ・ハード風味漂わす③、物悲しいバラード⑤、ハードに駆け抜ける曲調に絡むリッチー・サンボラの激情迸るGソロにグッとくる④⑦…と、優れた楽曲が続々登場。バンドのメロディ・センスと曲作りの卓越した手腕が、デビュー当時から既に研ぎ澄まされていたことを実感させてくれる仕上がりです。
王者の貫禄を身に纏った現在とは異なる、「がむしゃらなBON JOVI」サウンドが堪能できる貴重な(?)名盤。

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