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Club Ninja / BLUE OYSTER CULT
火薬バカ一代 ★★ (2008-04-20 00:31:00)
作曲面で多大な貢献を果たしていたアルバート・ブーチャード(Ds)と、BOCサウンドの妖しい美しさの要、
アラン・レニアー(Key)が相次いで脱退。バンドは崩壊の瀬戸際にあり、メンバーも認める通り、クリエイティヴな意味において
ドン底だった時期に制作され、一般的な評価も余り芳しくない、'83年発表の10thアルバム。しかもタイトルが
『倶楽部NINJA』と来たもんだ。真面目なメタル・ファンは、このアルバム・タイトルだけで聴く気半減といったところか?
エッジに乏しい音作り(手掛けたのはサンディ・パールマン)や、ダイナミズムに欠けるリズム・セクション等、
大人しくまとまってしまった作風にも若干の物足りなさは残るが、相変わらず楽曲のクオリティ、
分けても叙情メロディの美しさには鈍りがないため、これはこれで、個人的には十分魅力的なアルバムと高く評価している次第。
現BURRN!!編集長(元BOCファンクラブ会員)が、「感動したい時に聴く名曲」としてそのタイトルを挙げている①に始まり、
キャッチーなメロディと、泣きメロの対比が効いている②、Voの技量の向上が際立つ哀メロ・チューン③、
感傷的なメロディを紡ぎ出すGが主役を張ったメロウな④・・・といった、優れた楽曲が連打される前半の充実感は流石だし、
中盤にはやや印象の弱い曲も幾つかあるものの、本作のアイデアの大元となったという、ドラマティックな曲展開を備えた⑧、
アラン・レニアーの抜けた穴を埋めるべく、新加入のKey奏者が華麗なるピアノ・ソロを炸裂させるラスト・ナンバー⑨
といった名曲でアルバム終盤が締め括られるため、聴後感は極めて良好。BOCらしさは希薄と言わざるを得ない
ポップ・ロック風味の強い内容ながらも、ベテランらしい曲作りの上手さが光る、非常に高品質な1枚。

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