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Sheer Greed / GIRL
火薬バカ一代 ★★ (2017-02-15 23:07:51)
「NWOBHM四天王」という肩書と、DEF LEPPRADのフィル・コリン(G)やL.A. GUNSのフィリップ・ルイス(Vo)、後にゼロ・コーポレーションからSHEER GREED名義でアルバムを発表したりしていたジェリー・ラフィー(G)らが嘗て在籍していたバンドという点に興味を引かれて購入に踏み切った、GIRLのデビュー作(’80年発表)。
当時「NWOBHMそのものな音を期待しないように」と散々忠告されていたにも関らず、「またまた、そんな謙遜しちゃってぇ。腐っても四天王なんでしょ?」と全く聞き入れずに購入。その挙句本作で聴かれるラフでスリージーなロックンロール寄りのサウンドに対し、「全然NWOBHMっぽくねぇじゃん!」と勝手に立腹して、速攻で盤を売り払ってしまった青い思い出が蘇ります。そもそもメンバーの面子的に(あとジャケットを飾るアー写のグラマラスなルックスからして)ストレートなHMを演ってるわきゃないのですが…。
しかし。こうして紙ジャケで再発されたリマスター盤を改めて聴き直してみると、これが案外悪くないという。フィル・コリンのGは、時に印象的なメロディを奏で、時に派手に弾きまくったりと全編に亘って存在感を主張していますし、ギターがよく歌うデビュー・シングル曲“MY NUMBER”や、疾走感溢れる“DOCTOR, DOCTOR”、そして後にL.A. GUNSでもリメイクされるGIRLの代表曲“HOLLYWOOD TEASE”等、収録曲の中にはちゃんとHMの範疇で語れるモノが見受けられることにも気付かされた次第。デカダンなメロディ・センスと、フィリップの妖しいヘタウマVoの個性とが合致した“THE THINGS YOU SAY”“STRAWBERRIES”辺りも魅力的です。
従来の「“HOLLYWOOD TEASE”1曲だけのアルバム」という印象を見事に覆されましたよ。

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