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Steeler / STEELER
火薬バカ一代 ★★★ (2017-03-06 22:52:53)
マイク・ヴァーニーのプロデュースを受けて、SHRAPNEL RECORDSから’83年に発表されたSTEELERの唯一作。Voはロン・キール(KEEL)、Dsはマーク・エドワーズ(LION)、Bは名曲“ON THE RUN”で知られるSINのリック・フォックス、そしてGは当時スウェーデンから上京したてでスリム&ハンサムだった頃の貴族様と、知名度の高い面子が揃っているのに、不思議なことにこれまで一度も正式に日本盤が発売されたことがないという。
音楽性は、アグレッシブなGリフ主体に攻めて来るLAメタル・スタイル。圧の強いロンのハイトーン・シャウトの印象もあって、やはり初期KEELを思わせます。イングヴェイ加入前に収録曲の大半は完成済みだったそうで、ネオ・クラシカル路線を期待するとスカされますが、しかし我らがマエストロの「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」な唯一無二のGプレイは既に自己主張しまくり。決して誰の色にも染められることのない、この人の天賦の才の輝きが眩しいやら可笑しいやら。
アルバム自体に関しては、「聴き所はGプレイだけ」とバッサリいかれることが多く、実際、Gのイントロでグッと高まった期待がその後の凡庸な展開でシュルシュルと盛り下がる楽曲もチラホラ。それでもG独奏と歌入り疾走ナンバーの二段構えが取られた⑤や、暗くドラマティックに盛り上がる泣きのバラード⑨のような、元々の楽曲の良さと、それを引き立てるイングヴェイのGという、二者の歯車がガッチリと噛み合った名曲も収録されているので、決して舐めたもんじゃありません。
イングヴェイ作品を一通り揃えた方は、是非ともこっちもチェックを。

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