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Huszonöt év / OMEN
失恋船長 ★★★ (2017-03-20 13:57:21)
ハンガリー代表する古参メタラーが結成25周年を祝うべく2015年にリリースしたアルバム(アルバムタイトルも25周年みたいな意味らしい)。元はPokolgépのシンガー、ジョセフ・ハンマーとラシュロ・ナジフィらが、音楽性の相違により脱退し結成されたバンドなのですが、1997年リリースのアルバムを最後にジョセフは脱退、今は4代目シンガーのアルパドに交代し活動を続ける彼らですが、ヘヴィでファットな今風の音を咀嚼しつつも根底に流れるのは麗しきハンガリアン正統派HM/HRサウンド、屈強なリズム隊が屋台骨を支え、整合性とダイナミズム溢れるサウンドは一朝一夕では作り上げる事の出来ない深みがあり、その練り上げられた音楽性は聴き手の感性を、ジンワリと身動きが出来ないように拘束。少々投げやりだがメロディを追っかけて歌うアルパドの歌い回しも、この手のサウンドにピッタリとハマり、しっかりと磨き上げていますね。
東欧的な独特の音色を巧みに操り、土着的になりすぎないワールドワイドな音楽性、でも拘りの展開には、ハンガリーならではの構築美を感じずにはいられませんね。ダークでシリアス、その生っぽい音作りは今を感じさせるし、ザクザクと刻まれるヘヴィなリフワークも耳を惹くし、メリハリの効いた演奏は心地よい響きを重ねており、今を生きる正統性の高い音楽性を貫いているが一番の聴きどころでしょう。ヘヴィなミドルナンバー中心ではあるがバラードタイプのスローナンバーやガッツィなミドルハイも用意し飽きさせない工夫はベテランならではのオモテナシですかね。
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