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The X Factor / IRON MAIDEN

名無し (2017-04-06 20:41:05)
うーん、これは厳しいなあ。

ポール・ディアノとブルース・ディッキンソンの比較論がモメるのは、ぶれない芯こそ通底してはいても、曲調も歌い方もガラッと変わってしまってそれぞれに良さがあるから、だと思うのですが、これ音楽性的にはそれまでの延長線上ですよね?
ましてやブルース・ディッキンソン復帰後のライブで、このアルバムの目玉曲2曲とも(Sign of the Cross、Man on the Edge)ブルースが世界観まで含めて完璧に歌いこなしちゃってて、しかもそれが音源になってしまっているし。
もっと言ってしまえば、このアルバムのような、クリエイティビティをとことん自らの中で内省的に煮詰める路線を更に極めちゃったアルバムが後に出てしまう始末だし(A Matter of Life and Death)。

ブレイズ・ベイリー単独で見れば別に悪いヴォーカリストではないとは思いますが、その前後の状況があまりに彼にとって向かい風すぎるというか、あれはなんだったの状態になってしまっているというか。
スティーブ・ハリスがやりたかったことがこれ1枚では見えて来ず、悲しいかなブルース・ディッキンソン復帰後のアルバムも聴いた上でようやく「あ、そういうことね」って腑に落ちる状態というか、復帰後も含めたブルース・ディッキンソン時代の文脈で語らざるを得ない状態というか。

切り捨てるには惜しいクオリティなんですが、同時にそんな理由で諸手を挙げておすすめもしにくい、何とも歯がゆい1枚です。