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Leather Boyz With Electric Toyz / PRETTY BOY FLOYD
火薬バカ一代 ★★★ (2017-04-08 10:44:20)
自ら「プリティ・ボーイ」と名乗る神経の太さ(いや実際は大恐慌時代のアメリカで暴れ回ったアウトローの通称なんですけどね)や、'89年当時ですら「それはどうか」というデーハーなルックスを前に、自称・荒ぶるメタル益荒男的には「けっ」となってしまい、実際に音に触れるまでかなりの時間を要したPRETTY BOY FLOYDのデビュー作。
しかし、ただ甘いだけでなく存外ワイルドですらあるOPナンバー①のキャッチーな出来栄えが、侮り倒していたこっちの居住まいを「見てくれだけで舐めたらいかんぜよ」と律してくれます。MOTOLEY CRUEやPOISON影響下のロックンロール・サウンドは、すぐにでも口ずさめてしまうメロディや、思わず一緒に歌いたくなるコーラスといった、アリーナ・ロック然としたフック構築に徹底して心が砕かれていて、多少あざとさや合成甘味料的チープネスが無きにしも非ずとはいえ、「だとしても美味しいんだから仕方ないだろ!」という点では、子供の頃近所の商店で買ってた、一口食っただけで舌がカラフルに変色する怪しげな駄菓子を思い出す味わい。
のっけから印象的なコーラスを伴ってパワフルにスタートする①や、元気溌剌にハジける②、映画『ベストキッド3』のサントラに収録されバンドの名を一躍シーンに知らしめた④辺りは、普段この手の音に親しむことの少ない身にも訴えかけて来る魅力が備わっていますし、何より最高なのが⑦ですよ。バラード調のイントロからテンポアップして、爽やかに駆け抜けていくこのポップな名曲には心浮き立たさずにはいられませんて。
毒々しい色合いから避けてたけど、実際に食ってみたらこのキノコ美味ぇ!的な1枚。

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