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Chained and Desperate / CHATEAUX
火薬バカ一代 ★★★ (2017-04-12 23:10:39)
'81年、ティム・ブロウトン(G)によって英国のチェルトナムで結成されたSTEALERが、EBONY RECORDSのコンピ盤『METAL MANIAX』への参加を契機にバンド名をCHATEAUX(シャトー)と改めて、'83年に同レーベルから発表した1stアルバム。
デビュー・シングル『FIGHT TO THE LAST』(’82年)ではアレックス・ヒューストン(B)がVoを兼任していましたが、本作でフロントマン役を担うのは誰あろうスティーヴ・グリメット。この翌年にはGRIM REAPERで(やはりEBONY RECORDSから)デビューを飾ることとなる彼氏が何故ここで歌っているのかその理由はよう分かりませんけども、取り敢えずこの頃から既に歌の上手さがズバ抜けていたことはハッキリしています。
音楽性の方もGRIM REAPERと同一のNWOBHM路線…というかアレをもっと野暮ったくした感じのサウンド。音の悪さじゃ人後に落ちないEBONY作品ゆえプロダクションは粗悪極まりなく、相当に聴き手を選ぶ作品であることは否定しえないのですが、だとしても、チリチリとした音色で刻まれるGリフがソリッドに疾走し、その上でスティーヴが強靭なシャウトを轟かせる様にメタル魂にボッと火を点される⑤を始め、HM以外の何者でもないカッコ良さを主張する収録曲の数々からは、音の悪さや垢抜けなさといった弱点をぶっちぎるサムシングが感じ取れるのではないかと。特にバンドのテーマ曲(なのか?)②、へヴィ・バラードの大作④、重厚な⑧といった、Voの熱唱が映えるドラマティックな楽曲の聴き応えは本編の白眉。
知名度ではGRIM REAPERに大きく水をあけらていますが、内容では負けていませんて。
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