この曲を聴け! 

Patent Applied For / P.A.F
失恋船長 ★★ (2017-04-24 18:19:37)
MAKE-UP解散後、NoBこと山田信夫と河野陽吾が中心となり1988年GRAND PRIXを結成するも4年後には解散。その後は、ソロ活動などに精を出しアルバムやシングルなどをリリースしていたのですが、X-JAPANのPATAが立ち上げたプロジェクトなのかな?P.A.Fのボーカリストの一人として参加、11曲中6曲で衰え知らずのパワフルヴォイスを披露。その灼熱の喉はやっぱりロックが似合いますね。軽めの歌モノロックの中で、恐ろしい位に芯の太い歌声で華を添え見事な役割をこなしています。主役は誰なのか分からなくなる活躍ぶりに目を細めますね。おんぼろナイトと歌う歌詞はダサいのですがロッカバラード③など、NoBの熱量に嫌われそうですが、十分J-POPファンにも聴いてもらえる要素も強いかと思います。オープニングの①もX-JAPANの何倍もハードなギターで迫っており、今作におけるPATA氏のやる気も伺えますよね。これならばNoBを飼殺ししないで済みますよ。

とは言え④⑦を歌う女性シンガーYukaちゃんの稚拙な歌唱が完全に足を引っ張り、アルバムの流れを黒部ダムな如く堰き止め、個人的には聴く気力を抉り取り、忍耐力を決壊させるのが難点。思わず彼女でも力技で参加させたのかなぁと思いましたね。
NoBの後だけに余計ですよ。ジェフ・テイトとポール・ショティーノに挟まれて歌うドン・ドッケンの比較にならない破壊力の持ち主でした。アルバムの中でポップな曲は必要なのは分かるが決壊させてはいけない。

そんな個人的な不満をぶちまけましたが、そこは嗜好の問題なのでね。許していただきたい(もったいないんじゃ)
④から⑦までスキップすれば、飛び込んでくるのはヘヴィブルースなP.A.F流『Wanted Dead Or Alive』な⑧、貫禄の熱演ぶりにバンドの本気度も伺え気分を持ちなおし最後まで聴きます。
PATA氏のルーツたる音楽性をより高い次元で披露するメンバーを従え、J-POPな要素も当然あるがロックフィールドへと果敢に挑み、やりきった一枚。セールス的には惨敗だったようですが、日本語が気にならず、所謂アメリカかぶれなロックサウンドを楽しめるマニアなら心躍る力作でしょう。X-JAPANだからと言って舐められる要素のない一枚です。

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