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Perfect Symmetry / FATES WARNING
火薬バカ一代 ★★★ (2017-05-06 00:30:19)
FATES WARNINGの日本デビュー作であり、個人的に初めて彼らの音に触れた作品でもある、’89年発表の5thアルバム。
ヘヴィ・メタリックな荒々しさや疾走感が影を潜め、哀愁のメロディ、凝ったアレンジに、派手さよりも「味わい深さ」で聴かせる曲展開等がいちいち洗練を感じさせる楽曲を始め、いかにもHM然としていたガビガビのバンド・ロゴがいつの間にかスマートなデザインに改められていたり、ついでにジャケットもモダン・アート風だったり…と、この頃には完全にバンドは「本格派プログレ・メタル路線」へと移行完了。当時は全く気にしていなかったのですが、今となってはDREAM THEATERの初代Key奏者ケヴィン・ムーアがゲスト参加している辺りもその表れと言えなくもなかったという。
益々扇情力を高めた2本のGのメロディアスな絡み、ジェフ・テイト型に分類されるレイ・アルダー(Vo)の表現力に富む歌唱、それに柔軟にボトムを支える元WARLORDの名手マーク・ゾンダー(Ds)の多彩なリズム・ワークを得たことで、サウンドは繊細な抒情面の魅力が大きく開花。バイオリンをフィーチュアした美しい前半を経て、中盤以降はケヴィン・ムーア(Key)も交えた楽器陣がスリリングに盛り上げていく⑤や、哀切に満ちたレイの歌声が胸打つバラード⑦、そして全メンバーの長所が存分に発揮された泣きの大作ナンバー⑧といった楽曲はその好例かと。
こちとら初期作を偏愛する身なれど、やはりFATES WARNING入門盤には、万人に受け入れられるであろう本作あたりをお薦めするのが適当なのでしょうか…。
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