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Reviving the Truth / ARGUMENT SOUL
火薬バカ一代 ★★★ (2017-05-11 23:11:03)
名古屋を拠点に活動する5人組パワー・メタル・バンドが、’04年にLIGHTS OUT RECORDSからリリースしたデビュー作。
HR/HM冬の時代を通過したこの時期はとんと新譜に対する感度が鈍くなっており、彼らの名前は雑誌等で見聞きはしても完全にスルーしてしまっていました。しかし先頃、GW中に出掛けた先で立ち寄った古本屋CDコーナーにて本作を発見。安かったこともあり、ふと興味を引かれて購入し聴いてみたら…これ無茶苦茶カッコイイじゃねえかオイ!と。
音楽性は、スピード/パワー/メロディ、それにドッシリとした重量感がバランス良く配分された、ジャーマン系とは趣きを異する正統派パワー・メタル。鋼鉄の如く屈強な演奏同様、力強く伸びていくシンガーの歌唱がカール・アルバートを思わせるスタイルなこともあり、VICIOUS RUMORSとの共通点を見出す場面もしばしばです。
さりとて単なるフォロワーかと言えば、要所でドラマティックなハーモニーを奏で、メタル者を猛らせることにも泣かせることにも長けたツインGや、メロディックなコーラス・ワークのアレンジ等には、日本のバンドらしい木目細かさが行き届いているという。2本のGを伴っての加速感がガッツポーズ物の①、重厚且つ劇的な④、スピーディな⑧から間髪入れずに展開していく、荘厳なハーモニーを纏って勇壮且つキャッチーに駆け抜ける本編の個人的ハイライト⑨等は、その筆頭の楽曲と言えるのではないでしょうか。
厚みに乏しいプロダクションが折角の迫力を削いでる面は否めませんが、それもここまでカッコ良ければ疵にはなっていません。中古で買ったのが申し訳なくなる1枚ですよ。
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