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Phenomena / PHENOMENA
火薬バカ一代 ★★★ (2017-06-12 23:13:24)
メルとトムのギャレー兄弟が音頭を取り立ち上げたHRプロジェクトが、'85年に発表した1stアルバム。『フューリー』とか『炎の少女チャーリー』を思い出す(?)「超能力者たちが繰り広げるホラー・タッチのSFストーリー」を有するコンセプト・アルバムであり(ポシャったけど映画化企画もあったのだとか)、全三部作構成の内の第一弾にあたる作品。
毎回豪華なゲスト勢が参加しているのも売りの一つで、本作にはグレン・ヒューズ(Vo)、コージー・パウエル(Ds)を始め、ニール・マーレイ(B)、テッド・マッケンナ(Ds)、ドン・エイリー(Key)ら腕利きミュージシャンが集結。…と言っても、音作りがソフティケイトされているため個人技は然程目立っていません。壮大且つ抒情的なサウンド面において中心的役割を担うのは、曲作りも手掛けるリチャード・ベイリー(元MAGNUM)のスペーシーで煌びやかなKeyワークや、歌神グレンの実に伸びやかなVoといった塩梅。
そうしたパフォーマンスの援護射撃を受けた収録曲の粒の揃いっぷりも特筆モノで、その完成度たるや、重厚且つミステリアスなOPナンバー①、キャッチーな②、アイリッシュ・フレーバー薫る③、ソウルフルなVoが絶品のバラード④、女性スキャットを取り入れたアレンジが秀逸な⑤…といった具合に、頭から順番に語っていけるぐらい。コージーのドラミングに「らしさ」とパワフルさが増す6曲目以降の充実度もお見事です。
3rd『INNERVISION』(’93年)の方を先に聴き、それから遡って本作を聴いたため事前の期待値は実は余り高くなかったのですが、こりゃあ紛うかたなき大名盤。見縊って申し訳ない。「ロック・オペラ・アルバムの先駆け」の名に恥じぬクオリティと存在感を誇る1枚です。
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