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Ancient Dreams / CANDLEMASS
火薬バカ一代 ★★★ (2017-08-01 00:12:03)
オジー期のBLACK SABBATHに、北欧然とした神秘性やドラマ性、更にはメタリックなエッジの鋭さを加味することで、「エピック・ドゥーム・メタル」なる音楽性に先鞭をつけたCANDLEMASS。本作は、その彼らが英国輸入盤チャートで№1の座をゲットする成功を収めた『NIGHTFALL』(’87年)の勢いを駆り、’88年に発表した2ndフル・アルバム。
前作のジャケットにはトマス・コール画伯の代表作の一つ『人生の航路』より『老年期』が用いられていましたが、今回は同シリーズより『青年期』を採用。連続性を感じさせるこのアートワークが物語る通り、サバシーなリフ・ワークから漆黒のメロディを奏でるGソロまで、高い「トニー・アイオミ度数」を誇るレイフ・エドリングのGプレイ、タメの効きまくったリズム、その上で歌唱力も体型も横綱級のフロントマン、メサイア・マコーリンが朗々響き渡らせる(歌唱というよりも)「詠唱」と評したくなるオペラティックなVoをフィーチュアした唯一無二の音楽性には、些かのブレもありません。むしろ重厚長大にして、ゴシカルなドラマティシズムに磨きが掛けられた楽曲群からは、より一層闇の世界の深淵へズブズブと沈み込んで行くような暗黒オーラが濃密に立ち昇っています。
重々しく荘厳な立ち上がりから、ラストのこの上ないハマリ具合のBLACK SABBATHのカヴァー・メドレーに至るまで、ドゥーム・メタルと聞くと敷居の高さを感じてしまうリスナーも、要は「スローな様式美HM」と思えば恐るるに足らず。METAL BLADE RECORDSを通じてアメリカでのリリースも実現した結果、インディーズ配給ながらビルボード・チャートに飛び込む好成績を残したCANDLEMASSの代表作と言われるのも納得の1枚です。

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